老化の恐怖から
理想の石鹸を求めて
若いときから仕事一筋。肉体的にも精神的にもギリギリになるまで走り続けました。その結果、健康を崩し、不定愁訴にさいなまれ、気づくと肌はくすみを通り越して黒ずんでしまいました。乾燥でシワも増えるし、ついにはアトピー症状まで併発してしまったんです。
「このまま衰えていくのでは」という恐怖心から、自分のために化粧品を作ることを決意。美容医療という手段もあるかもしれませんが、私はいやなんです。ただ、歳を重ねる速度をできるだけ遅くして、上手に重ねていきたいんです。ですから、持ち前の情報収集力を駆使し、あらゆる美容法、施術者のもとを訪ね歩きました。そこで出会ったのがフィトテラピー(植物自然療法)でした。
フィトテラピーに基づいて石鹸を作るにあたり、芳醇な泡立ちでしっかり汚れを落としつつも、肌の潤いを留めるバリア機能を守りたい。相反する考えを形にするため、天然のグリセリン(保湿成分)を練り上げることにしました。そのため、石鹸ひとつを作るのに65日間もの熟成期間が必要となります。
加えて私の弱り切った肌でも使えるよう、極力負担を抑えて防腐剤や保湿剤もなるべく天然成分で作ることに。その甲斐あって、しっとりとして1回で汚れがすっきり落ちる理想の洗顔石鹸として、「しゅろ」は完成しました。洗い上がりは絶対に突っ張りません。
フィトテラピーが引き出した
肌本来の再生力を感じて
これがよく効いたんです。使うほどに肌のきめが整い、つやとハリが戻ってきました。フィトテラピーが引き出した肌本来の再生力は、「これさえあれば美しさを保てる」と私を安心させてくれました。同じ頃、会う人、会う人に「何をしたの? 綺麗だね」とよく言われるように。どれほどうれしかったことか。
自分用として作った石鹸なので、最初は販売していませんでした。当時テレビ通販からの販売依頼にも、天然成分だけで凝固剤不使用だから作るのに65日もかかるため量産できないのと、即効性というよりは肌本来の力を引き出す処方であるため、お断りしていました。ですが、10年使い続けて肌に手応えをを感じている今、同じ悩みをもつ方を応援したい、そう思っています。
石鹸を使い始めた頃は、市販の栄養クリームと一緒にケアをしていました。ですが、キメのあるつややかな肌が甦った頃には、自然と栄養クリームを使わなくなっていました。「しゅろ」石鹸がひとつあれば、肌にはもう充分なんです。